

2009/9/9
中央・江東・墨田支部
3支部合同ブッフェ研究会
豪華絢爛!!「真夏の夜に料理でめぐるフランス文学の宵」
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- ロイヤルパークホテル
斉藤正敏調理部次長
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- ジャガイモとムール貝のサラダ・ジャポネ―ズ
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- 乳飲み仔豚の干し草包み焼き
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- ウサギとフォアグラのパテ
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- 無花果のフイユテ
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- 左から飯塚隆副会長、森道雄中央支部長、ロイヤルパークホテル福島隆バンケット調理シェフ、梅崎徳孝料理長、稲垣芳勝中央支部幹事長、斉藤正敏調理部次長
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- モカアイスクリームのフランベサービスで会場が盛り上がった
8月4日、東京・中央区にあるロイヤルパークホテルの有明の間において、「真夏の夜に料理で巡るフランス文学の宵」と題された3支部合同ブッフェ研究会が開催された。
フランス文学の中に登場する料理を、文献をたどり、想像力を生かし、可能な限り現代に再現するという興味深いテーマに挑んだのは、ロイヤルパークホテル調理部次長の斉藤正敏氏。
齋藤氏は、国際交流基金理事長の小倉和夫氏の発案により、2007年から2年間12回にわたり(財)国際文化会館で「料理でめぐるフランス文学散歩」を実施。フランス文学1作ずつをテーマにコース料理を作り上げた。今回の研究会に関しては小倉氏の了承を得て、ブッフェ形式にアレンジした。
齋藤氏は、「作品が生まれた時代の文献を調べ、現代的に仕上げました。調理の基本はエスコフィエですが、それ以前のものもありますので、郷土色をヒントにすることもありました」と語った。
会場には、マルセル・プルースト、ギ・ド・モーパッサン、オノレ・ド・バルザック、アレクサンドル・デュマ、ピエール・ロチ、シドニー・ガブリエル・コレット、マルグリット・デュラス『といったフランスを代表する作家の作品の中に登場する料理、デザート24種が並びフランスの豊かな文化が香り立つようだった。
参加者から満足の声
第一ホテル東京のアンシャンテスーシェフ菅野博士氏は「テーマがあると料理に深みが感じられる。とても良い企画だと思った。普段使っているヤリイカやサーモンが文学作品の中でこんな風に表現されていることに感心した。ぜひ詳しい調理法が知りたい」と感激していた。
今年入社した東武ホテルレバント東京の岩見結衣さんは、「特にカキの料理がとてもおいしかったです。また参加したいです」と笑顔を見せた。明治記念館のデザート厨房料理長の田上千修氏は、「フランスの古典料理がこんなに一度に味わえるなんてとても素晴らしいですね。このマドレーヌなんて本当に完璧な味です・・・。イチジクをフイユテにするのも粋な組み合わせですね」といつまでもその場を去りがたい雰囲気だった。同行した三国和如氏も、「ずっと参加したかったブッフェ研究会でこんなに素晴らしいお料理、デザートが味わえて幸せです。フランス文学の朗読などがあったらもっと雰囲気が出たかもしれません」とコメントした。
中央支部の森道雄支部長は「これまでは新しくオープンしたホテルでブッフェ研究会を行うことが多かったのですが、今回は、趣向を変えてみました。皆さんがご満足してくだされば嬉しいです」と語った。
<料理、デザートの一例>
マルセル・プルースト『失われし時を求めて』より「Salade Japonaise ジャガイモとムール貝のサラダ・ジャポネ―ズ」・・・19世紀後半から20世紀初頭、パリの社交界のモ―?であった「日本風」を当てはめた料理。オーギュスト・エスコフィエの『ル・ギッド・キュリネール』にも掲載されている。
オノレ・ド・バルザック『イリュージョン・ぺルデュー』より「Tourin à lAli et Oeuf Poché玉葱とニンニクのスープにポシェした卵を添えて」
「都会と田舎のコントラスト」がテーマ。田舎の部分をアキテーヌからバスクにかけての代表的郷土料理で表現した。赤ワインビネガーを数滴たらすのがポイント。
シドニー・ガブリエル・コレット『シェリー』より「Canard Challandais Rôti,Bigarade au Cassis Caramélisé 鴨のロースト カシス風味のビガラッドソース」
1923年に書かれた『シェリー』。二周りも年齢が違う2人の官能的な恋、そして別れのシーン。甘さ、酸っぱさが漂うムードをビガラッドソースが演出する。
マルグリット・デュラス『モデラート・カンタービレ』より「Crêpe à la Glace au Moka,Flambé à la Salle クレープで包んだモカアイスクリーム フランベサービス」 etc